IRデータバンク - 泉州電業株式会社 西村元秀社長
IRデータバンク第21回目のインタビューは、電線のエキスパート企業、泉州電業株式会社の西村元秀社長の登場です。【2007年10月19日実施】
――社長になられた経緯をお聞かせください。
泉州電業は、もともと私の父親である現会長が創業した会社です。創業は昭和22年で会社形態になったのは昭和24年です。今年で創業60周年、会社としては2年後に設立60周年を迎える会社で、私自身は平成12年に社長に就任いたしました。
その前は、大学を出てから17年ほど証券会社におりまして、40歳ぐらいのときにこの会社に入り、5年ほど顧問や役員などを経験しまして、その後、社長に就任いたしました。
――証券会社時代のご経験で、現在経営に生かされているものはございますか。
証券会社のころは、投資家の興味とか会社としての魅力はどこにあるのか、といった証券マンの立場で、個人投資家などにいろいろとPRしてお� �ましたが、今度は逆の立場ですから、証券会社にとって商品である会社が、どうやったら魅力あるものにできるかという見方なので、比較的やりやすかったということはありますね。
――証券会社にいらっしゃった17年間も、やはり将来は事業を継いでいくというお考えだったのでしょうか。
その考えはありました。証券会社も非常に波のある業界で、私が入ってからしばらくは、いわゆるバブル形成期で非常に忙しくなりまして、私自身、海外部門を長く経験しています。ちょうど入社して4年ほどしてから海外に行ったので、17年のうち結局13年は海外にいたことになります。
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そのころ、1989年に株価がピークを打ってバブルが弾けました。国際部門は特に厳しくなり縮小しはじめたころ、父親から、「日本に戻ってこないか」という話があり、1995年のちょうど40歳の時に証券会社を退職して、泉州電業に入社しました。現在52歳ですから、12年前のことですね。
――社長になられる時に、これはリスクだなとか、こういうところに気をつけなければ、などと思ったことはございますか。
私が社長に就任した時はすでに上場会社になっておりましたので、非常にたくさんの株主の方もいらっしゃいました。そのため、襟を正してやらなくてはいけないなというところは、自覚いたしました。それから、業績� ��できるだけ上げて株主の皆様の利益を追求し、従業員の生活を守っていくという意識は、強くなりましたね。
――では、社長の学生生活は、どのようなものだったのでしょうか。
私は学生時代、ずっと剣道をやっていました。わりと体育会系で、特に高校ぐらいまでは運動一色という感じでした。大学に入ってからいろいろなことに興味が出てきて、大学の授業で証券会社のセミナーに参加したところ、会社の役員の方の話を聞いているうちに、経済に興味が湧き、「やってみようかな」という気持ちが起きたのです。
私は慶応なのですが、大阪から東京に出てきて、日吉にある日吉寄宿舎に4年間いました。地方から出てきた友人と共に生活をする中で、友人の大切さとか考え方の違いを実感いたしまし� �。友人とは、今もずっと付き合っていますし、私の財産になっています。学生時代というのは、そういう意味で、一生付き合える友人をどれだけ作れるか、ということも大事なことだと思います。
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――御社のビジネスモデルについて教えてください。
大きく分けて3つあります。
当社は電線の専門商社ということで、電線をメーカーから仕入れて、お客様に販売しているわけですね。当社のお客様というのは、非常に数が多くて現在3,000社ぐらいございます。当社がビジネスモデルとして重要視しているのは、ジャストインタイムということで、お客さまが必要な時に、必要な量だけ、できるだけ早く手元に届ける、ということです。
現在、倉庫面積が全国で30,000?ございます。拠点は全国に13箇所あり、そこにどれだけの品揃えが強化できるかが重要ですね。午前中に電話をもらいましたら、午後一番には届けられるようにということで、電線については非常に素早い対応を心掛けております。これが当社の第1のビジネスモデルということになります。
第2点目は、われわれ商社なのですが、泉州電業でし か買えない商品というのを持っており、それを当社ではオリジナル商品と呼んでおります。当社はメーカーではないので、電線を作るわけではないのですが、特色があり技術力のあるメーカーさんと長年タイアップして、一生懸命に市場を開拓してきた商品というのがあります。それを当社ではオリジナル商品と呼び、メーカーさんもその商品については泉州電業経由でしか売らない、という形態をとってくれています。その商品が売上の20%ございまして、比較的高い利益を上げていますので、そうしたオリジナル商品をじっくりと育てていくという戦略を、当社の第2点目のビジネスモデルとしております。
――オリジナル商品というのは、他社の商品と比較してどのような違いがあるのでしょうか。
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当社のオリジナル商品というのは、ほとんどがFAケーブル、ファクトリー オートメーション関係のケーブルでありまして、非常にブランド力が強いものです。長年メーカーさんと一緒に展示会に出たり、ユーザー訪問をしたりしながら、ユーザーの声をもとに開発したものが多くありまして、非常に高い評価をいただいていて、差別化が十分にできている商品だといえると思います。
3つ目のビジネスモデルとしましては、通常は電線をメーカーから買ってそのまま販売するというケースが多いのですが、当社では、お客様の要求に応じて、電線を一部加工して販売するという展開をとっています。われわれはこれを、ケーブル アセンブリー加工と呼んでいますが、ケーブルに部品を付け、半製品の形でお客さまに販売するわけです。当社ではここ15年ぐらいの間に、かなり力を入れている分野でして、加工場を国内に11箇所持っております。
この加工というのは、大量生産ではなく多品種小ロットのものが多いのです。ほとんどは、お客さまの工場で使われる電線なのですが、お客さまに近いところの加工場で、お客さまの機械の設計段階から入りまして、お客さまの代わりに製品をある程度加工して納める、という展開をしているわけなのです。このケーブル アセンブリー加工に伴って、当社のオリジナル商品の販売も拡大しようとしております。
――ビジネスモデルの中に、ジャストインタイム、素早い対応ということがございましたが、素早い対応をするためにどのような工夫をなさっていますか。
倉庫の広さの問題もありますが、一番のポイントはメーカーとの連携です。いかにメーカーと良い関係を持つかが大きなポイントだと思います。現在、当社の仕入れ先数は250社ございます。実は電線メーカーの数は多くて、日本電線工業会の加盟社数は500社ぐらいになります。その約半数、250社以上と、当社は長年の取引関係があるので、良い条件で品物を入れていただいています。
もうひとつのポイントは、当社自身の物流ネットワークですね。当社のメインと言いますか、長年お付き合いのあるお客さまは、電材店という業種になります。電材店は全国に1,000社以上ございまして、各町の小さな電気工事屋さんに電気工事材料を納められているわけです。わたしどもは主にその電材� ��に電線を納めるのですが、当社自身でそういった電材店と、トラック配送便をうまくつなげております。
それからもうひとつ大事なことは、泉州電業の営業マン1人1人が、電線のエキスパートになるという目標であり、これがジャストインタイムの、裏側の原動力というものだと思っております。
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